企画広報室から応援メッセージをご紹介いたします。

奈良女子大学生活環境科学系 准教授
安藤 香織さん
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より多くの人にとっての選択肢となることを応援しています

知的障がいのある人の場合、18歳で支援学校等を卒業してから、一般就労やA型事業所での就労をめざす場合が多いですが、本当にそれが本人のためになるでしょうか。

知的障がいのある人でも、学生生活を楽しむことができますし、また楽しむ権利があります。18歳でまだ社会の仕組み、働くことの意味をよく理解しないままで社会に出ることは、保護者の方も、親として不安なことがあるかと思います。実際に、支援学校を卒業後すぐに働き始めても、早期離職率は高くなっています。

知的障がいのある子は、障がいのない子たちよりも発達の歩みがゆっくりであるからこそ、世の中の仕組みを理解するには時間がかかりますし、教育にはより長い時間をかけるべきと思います。時間をかければ、成長がゆっくりな子も、ゆっくりなりに成長することができます。18歳からの時間は、成長のために大事な時間です。

ゆたかカレッジでは社会で生きていくために必要なスキルを学びます。ゆたかカレッジで学ぶ自己決定の力、ソーシャルスキルなどは卒業後もずっと本人にとって役立つでしょう。

アメリカでは、知的障がいのある人にとって、カレッジ進学という選択肢が目標となることが増えています。現在日本では、すべての地域でゆたかカレッジのようなカレッジがあるわけではありません。ゆたかカレッジが、今後も日本各地に広がって、より多くの人にとっての選択肢となることを応援しています。

奈良女子大学ホームページ
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