3月10日、参議院内閣委員会で、障害者所得倍増議員連盟事務局次長の山田太郎先生(日本を元気にする会)が、質問に立ち、「知的障害者の高等教育保障」について、文部科学省、厚生労働省、内閣府に答弁を求めました。
そこで、当法人の名前も出していただきながら、「福祉型カレッジ」の取り組みについて紹介され、大学における知的障害者の受け入れ促進について提案しました。
各省庁の答弁を受けて、この分野の取り組みが今後、大きく前進することになります。
質疑応答の様子は、こちらの参議院インターネット審議中継のサイトで見ることができます。
http://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/detail.php?sid=3490&type=recorded
収録時間6時間3分の中でこの件に関する審議は、4:50:03~4:55:37です。
質疑応答の内容は以下のとおりです。
○山田太郎君 さて、最後の質問になるかと思いますが、ちょっと重要なところで、各関係大臣等来ていただいているのでやりたいのが、福祉型カレッジの問題を少し最後にやらせていただきたいと思っております。
これは何かというと、今、障害を持った子が特別支援学校を出ますと、就職を基本的にするというケースが多い、一部は進学をするということではありますが、就職するケースが多いんですね。ただ、就職に失敗していわゆる離職してしまうと、なかなかその子たちが再就職が非常に難しいとよく言われています。
理由はいろいろあるんですが、高等教育、大学のような趣味だったりとか自分自身を見詰め直す、磨くというような、やっぱりなかなかそういったプロセス、あるいは、我々健常者もそうですけれども、今の若者は3年か4年で3割ぐらいの人たちが一回は会社を辞めるなんというふうに言われるぐらい、これ辞めちやうのは当然あるわけでありますが、その子たちがもう一度再教育を受ける場ということも必要だと思っておりまして、何が言いたいかというと、職業訓練学校という枠組みではなく、特別支援学校の上にきちっとした福祉型カレッジというものを位置付けてもいいのではないかと。
御案内だと思いますが、海外では知的障害者を受け入れる大学というのはたくさんありまして、アメリカの大学4000校ぐらいのうちの実は300校ぐらいは実際そういうコースを持っているわけであります。
これ、実は文科なのか厚労なのかといろいろ議論がありまして、レクの段階でもずっとぎゃあぎゃあぎゃあぎゃあ、ああでもない、こうでもないという話になっちやったんですが、是非この辺りは文科省と厚労省、もしかしたら一億総活躍ということで加藤大臣のところでも音頭を取っていただいて、この方々がきちっとまた職に就ければ総活躍できるわけでありますから、単にいわゆる障害者を福祉の対象だということではなく、共助でもって社会に受け入れていくんだと、こういう姿勢に変える必要があると。
こういうことから、福祉型カレッジ、実は福岡なんかでは鞍手ゆたか会さんなんていうのがすごく有名で、今頑張っていらっしゃる。でも、あそこも結局大学ではなく、要は支援型のいわゆる職業訓練という形で多分許可をぎりぎり得ながら運営されているというのが現実だと思いますが、あくまでも大学カレッジという形で位置付けられないのだろうかと。
これは、加藤大臣、それから文科、厚労、簡単なコメントで結構でございますので、是非答弁いただけないでしょうか。
○文部科学大臣政務官(堂故茂君) 先ほどから御紹介いただいておりますように、大学における知的障害者の受入れについては、本当に少数ですけれども、大変大事な考え方だと思います。
この4月から予定されております障害者差別解消法の趣旨を踏まえ、知的障害者本人からの申出を受けて、どのような対応が可能かについての本人との調整を行った上で、各大学において適切に判断がなされるものと考えますが、文部科学省としては、知的障害者を含め、大学が障害者に対して多様な学びの機会を提供できるよう引き続き理解を促してまいりたいと思います。以上です。
○厚生労働大臣政務官(三ツ林裕巳君) お答えします。知的障害のある方を含めた全ての障害者の自立と社会参加を促進することが厚生労働省としては重要と考えております。関係省庁と協力して、この問題に対処してまいりたいと思います。
○内閣府特命担当大臣(加藤勝信君) 今御議論いただいたように、特別支援学校を出た後、それぞれ、もちろん仕事に就くと大変またそこ悩みが深いという話を私もよくお伺いをするわけでありまして、中には、勉強していきたい、しかしなかなか大学そのものでというのは難しいかもしれないけれども、大学の例えば中でという、そういったやり方もアメリカの方ではあるというふうに承知をしているわけであります。
まさに、そうした知的障害のある方を含めて全ての障害者の方々が、個々の障害の状態や特性、そしてその教育的ニーズに応じ適切な配慮が受けられるよう、今、文科、厚労それぞれお話がありました、よく連携を取っていきたいと思いますし、また、今回の障害者差別解消法を踏まえて合理的な配慮をこれこれするようになっております。
それぞれの大学がどういう対応をしているのか、その具体例をしっかりとよく横展開し共有して、今の流れをしっかり進めさせていただきたいと、こう思います。
○山田太郎君 最後ですが、まだ時間がありますので一点だけ文科省にお願いしたいことがあります。
知的障害者のキャンパス利用とか聴講生の要請があった場合に、特に国公立大学であったら積極的に対応していただきたいんですね。場所を貸していただくだけでも非常に彼らは喜びますので、その辺り是非、御配慮いただきたいと思いますが、文科省、いかがですか。
○文部科学大臣政務官(堂故茂君) 検討させていただきたいと思います。
○山田太郎君 本当にありがとうございました。
ちょっと済みません、途中熱くなっちゃったところもあるんですけれども、非常に大事な話を今日はさせていただけたと思います。引き続き、どうかよろしくお願いします。ありがとうございました。
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