今日は、全専研福岡集会プレ企画第4弾として、我らが実行委員長、福岡教育大学の猪狩恵美子教授による「青年期の学び」講演会が開催されました。
今回も、遠くは鹿児島県や大分県、長崎県からの参加者を含め総勢70名の方々のご参加により、盛大に開催されました。
「学びの作業所」「カレッジ」と聞くと障害の軽い人たちのための場所かな・・・?と思いがちですが、障害の重い人たちにとっても、青年期の学びの場は必要です。そこで、今回は、主に障害の重い人たちの暮らしや教育に視点を当てて実践や研究を進めてこられた猪狩恵美子先生をお招きし、高等部訪問教育試行から15年-高等部卒業そして成人期を迎えていく障害の重い青年たちの姿から、教育年限延長と生涯教育について語っていただきました。
講演を聴いての感想をいくつか紹介いたします。
●知的しょうがい者だとしても生を受けた一人の人間であり、社会の中で必ず何かの役割を担っていると思います。しかし、本人たちは、勉強ややりたいことの意欲は十分にあるが、周りにその環境がないため、折角のチャンスを失っているような気がしました。そのような環境を充実させるために、専攻科設立やカレッジ設立は必要であると思いました。是非、将来、ひとりでも多くの方が幸せな人生を送れるような環境になっていくことを願います。
●専攻科を作る意義を常に考え、教育、福祉、医療が一体となることが必要という言葉に共感しました。今、私たちができることは何かを再度考えさせられました。
●しょうがいが重くても、平等に教育を受ける権利をしっかり保障していけるよう、環境、制度作りが大切だと感じました。
●学びの場、社会の進出の場はこれからどんどん大きく取り上げられる中で、質の重要性、また個人に応じた場面設定の大切さを改めて学びました。ありがとうございました。
●過去のしょうがい者の学びの場について、詳しく実態を知ることができました。しょうがい者の方も、「仕方がない」と思っている方がいて、悔しさでいっぱいだろうと思いました。今後の日本の制度の改正が必要だと思いますし、専攻科の必要性を訴える活動等、必要だと思いました。
●大変良いお話しでした。現在の特別支援学校で個別なカリキュラムのもとに学べているのも、昔の親たちや先生たちの粘り強い運動があったからだと改めて教えられました。多くのしょうがいのある子どもたちが学ぶことを楽しんでいます。専攻科が全国へ広まることを願います。
その他、たくさんの感想をいただきました。
プレ企画は今回をもって終了となります。
今後は、12月の全国集会に向けて、実行委員会を中心として準備を進めていくことになります。
参加者の皆様、猛暑の中、ご来場下さいましてありがとうございました。
猪狩先生、とても元気が出るお話しをありがとうございました。
講演会終了後は、28名の実行委員さんの参加により「全専研福岡集会第2回実行委員会」が開催されました。
今回は、当日の集会の記念講演、アトラクションなどの内容について充実した話し合いが行われました。内容の詳細等につきましては、決定したらご報告いたします。
実行委員の皆様、おつかれさまでした。
コメント
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お世話になっております。 息子が小学校のころ、大変重度であった息子に文字や数字を教えられているのを見て、そんなの使えることは将来ないだろうから無駄じゃないか? と思いました。 その後、息子が大人になって文字が読めることがいかに大切か、数字がわかることも貴重なことだと痛感しました。 言葉についても同様です。 8歳近くまで極めて少しの限定された単語しかわからず、意思疎通がほとんどできずに親子とも大きなストレスを抱えていました。 その後、約30年経ち、いまだに単語しかでませんが、語彙はめざましく増え、意思疎通も格段によくなりました。 1年前からは時計が正確に読めるようになりました。 このように学習がすすむにつれて、息子の生き易さは向上し、本人のみならず、彼を支援する人の負担も軽減されました。 重度な人は生きるための道具が大変貧弱です。 だからこそ、ほんの少しの学びでも絶大な助けになるのだと思います。 気が付いた時には手遅れという事例が多いですが、我が家の場合、長年の努力が全て役に立ち、無駄なものは少しもなかったと思えることは大変幸せです。
伊佐治 弘